ウイルス?迷惑な画面がどんどん出てくる

迷惑な画面がどんどん出てくる

画面に小窓がいろいろ出てくる。それってウイルス!?

「これってウイルスに感染したんでしょうか?」そういうお問い合わせも少なくありません。画面を見てみると、自動的にどんどん表示されてくる。英語のものがほとんどで、「パソコンに異常があります」とか「コレをインストールすると速くなります」とか。

弊社ではこれらも含めて「ウイルスソフト」とくくって対処しています。正しくはウイルスソフトではありません。迷惑なものという意味で「スパムウェア」といいます。省略すると「スパム」ですね。

「契約」が成立している事が多い大人の約束

たちが悪いのは「勝手に入らない」ことなんです。

いまどきのパソコンでは、ソフトウェアがインストールされる際には必ず許可を求めた画面が表示されます。そこで「許可する行為」をしないとパソコンの中に入り込むことができません。にも関わらず入ってしまっているのは、ユーザーさんが許可しているからなんです。

何かをダウンロードしたりインストールする際に出てくる小さな窓の内容も見ないまま「次へ」とか「NEXT」のボタンをクリックしてませんでしょうか?それってだめですよ~。

パソコンにインストールする際には、ユーザー様にも責任をもってあたってほしい。ですからシステム上必ず「許可を取る」ようになっています。そ の許可をしてしまった上でインストールされているわけですから、「そんなの聞いてないよー。」は通じません。現に、そういう迷惑なものを提供している会社 さんは、堂々と会社名や連絡先などを公表しています。欧米では契約社会ですから、れっきとした大人の約束をしているわけです。

タイプはいろいろあります。

タイプの一例

迷惑な表示をするソフトウェアはいろいろあります。ドキッとするものから血の気がひくものや笑ってしまうもの、パソコンの稼働がかなり重く(遅 く)なるタイプや、最悪の場合データを全部消去するものもあります。こうなると完全な破壊型ウイルスと言ってもいいかもしれません。

ほとんどのタイプは、パソコンが動いてくれないと自分自身も困るものです。というのも、宣伝をする(アドウェア)か個人情報を持っていく(スパイウェア)という目的があるから。こいつらは感染したパソコンが正しく動いてくれないと目的とする作業もできないわけです。

ランサムウェアと呼ばれるたぐいは、パソコンを勝手にロックして人質(ランサム)に取る形で表示されます。そのロックを外して欲しければ指定口座へ料金を振り込めという内容なんです。その指定金額がほとんどドル建てというのが笑えますけど。

ちなみに料金を振り込んでも何ら変化はありません。業者と名乗るこいつらは一切なにもしないからです。ということは詐欺です。最初から何もしないつもりで人質に取るわけですから。

「トロイの木馬」なんていうのもあります。童話で聞いたこともあるかと思います。あのトロイの木馬よろしく、パソコンのシステムをうまい具合に 騙して自分自身を正しいものとして認識させた上で活動を行います。増殖はしないのでパソコン内で拡散はしませんが、パソコン内部から外部へ重要な情報を発 信させたり他のウイルスを呼び寄せるようなことも行います。

駆除の仕方

一発で削除できる手段はない

いろいろなプログラムですからそれぞれに対応した削除の仕方があります。一概に言えません。しかも完全なウイルスプログラムだったらウイルス対策ソフトで検索・駆除できますが、そうでないもの、許可されたものだったらそのまま動いてしまうことになりますからね。

知らない人が玄関先までついてきて、自分が鍵を開けた際に知らない人が中に入ろうとすると、普通は止めますよね。それを「どうぞー」とばかりに許可してしまうようなシチュエーションを想像してみてください。ぞっとします。

ウイルス対策ソフトで検索した上で駆除する。まずはコレが一つ目。コレで止まらなければそれぞれのプログラムを探しだして1つずつ削除していく しかありません。結構大変な作業です。だってプログラム本体がどこにあるかなんて一定してませんし、偽装しているケースもよく有ります。迷惑プログラムを アンインストールしても、次回起動時にちゃっかりと元に戻っていることがほとんどなんです。どこかに卵のような状態で潜ませてあるんですね。それらを探り だすことになります。

まずは予防

予防することが最大の防御。感染してしまったらプロへ。

ですので防ぐことでしか対応は難しいと考えてください。リカバリーと言ってパソコンの初期状態に戻すことがおっくうでないならそうするべきです。今まで構築してきた設定や作り上げたデータを削除する覚悟がお有りなら。

リカバリーをする準備ができないと判断するのでしたら、できるだけなにもしないでプロにお声をお掛けください。この「何もしない」というのが結 構重要なんです。元に戻したり大切なデータをバックアップしたりする作業の前に、よりこんがらがった状態で準備をするのは、手間がかかりますし時間もか かってきます。ということは、料金にも反映することになります。

ソフトをインストールする責任は、作業している自分にある。

これをはっきりとご自身に言い聞かせることが非常に大切です。そうすることで、インストール時に次々と出てくる小さな小窓(ダイアログボック ス)の中身をご自身が責任をもって読もうとします。その答えのボタンをクリックして次に進むかそこで止めるか、自信を持って決めるわけです。わからなけれ ばどちらもクリックしてはいけません。その結果、インストールされなくなるわけです。

そして怪しいサイトには近づかないということも重要です。アダルト系、アングラ系、金儲け系…。人の欲望に絡むところに良くないプログラムを潜ませていることがほとんどだからです。

例として

よくある例として気を使うべき案件を挙げておきます。意識的にこのチェックを入れてますか?という意味です。

よくあるAdobe Reader。このソフトのアップデートがかかるたびにこのようなサイトが開きます。

Adobe Readerアップデートの画面

実はこのまま進んでも問題はありませんが、それを意識的に決定してますでしょうか?というのも画面中央の「オプションのプログラム」というところで「はい、無償のMcAfee Security Scan…」というところにチェックが入っているんですね。

ここに気がつくように真ん中に表示されるようなデザインをメーカであるAdobeは作ってあるんです。本来ならウイルス対策ソフトをすでに入れてあるでしょうから、このソフトは必要ないわけです。文章を読めばわかりますからね。

Adobe Readerのアップデートで、意識的に「はい」のチェックを入れてますか?と いうことは、チェックを外して「今すぐアップデート」をクリックするべき。または、今あるウイルス対策ソフトでの検索を使わずにあえて意識的にチェックを 入れて「今すぐアップデート」をクリックするか。どちらにしろここにチェックを入れるかどうかを決定した後に次に進むべきなんです。

さぁ、あなたはどちらを選択しましたでしょうか?もしかしたらそんなことはお構いなしに「今すぐアップデート」をクリックしたタイプですか?も しそうなら、この「オプションのプログラム」というところがとんでもない迷惑ソフトだったらどうなっていたでしょうか?考えただけでもぞっとするのは私だ けでしょうか??

このように抱き合わせでダウンロードやインストールする「親切」なサイトは、有名メーカーさん(ベンダーさん)なら普通に提供しています。その 調子でどこでも同じように対応しているとダマされてしまうという、なんとも殺伐とした世界が広がっているのがインターネットの世界なんです。

だから純真無垢な子供が触るべきでないし、触るならしっかりと対処した環境を整える必要があります。大人でしたら環境を整える義務もあるでしょうし、いつも心に警戒心を持ってことに当たらないといけないと思っております。

大人の方がパソコンをさわってこのような悪いソフトに感染してしまうのは、素直な方にその傾向が強いような印象があります。私のように仕事として接していると、だんだんとひねくれてくるのがよくわかります。いやなものです…。

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