あ・・・、パソコンが遅くなった…場合の対処方法
2017年9月22日
修理担当 堺
新しく購入した時は快適に動いていたパソコンも、数年たつとなにか待ち時間が長くなってしまったような・・・。ウイルスが入ってるんじゃないだろう か、ほかに何か悪いものでもあるのか。いやいや扱い方が悪いのかも・・・。と心配しながらも「動いてるから、ま、いっか~」という方は意外に多いかもしれ ません。
そしてXデー。とうとう起動もしなくなってしまって故障。修理センターなどへご相談、修理。高い料金取られて(←うちはそんなことしませんから!)泣く泣く修理をしたという方も少なくないはず。実際弊社にもご相談をいただいた方は多くいらっしゃいます。
そこでパソコンが故障して修理になる前の「パソコンが遅い」「パソコンが重い」と感じている間のメンテナンス方法をここで公開いたします。
これですべて解消するわけではありませんが、PCサポートをする人間は必ず行うことです。そして決して難しくはありません。これで解決すればまだまだ使えるパソコンも多いはず。そして故障にしてしまわないための安定した状態をなるべく永く続くようにすることでもあります。
どうぞご参考にしてください。
※Windowsを中心に記事を書いております。
不要なアプリケーションソフトは思い切って削除する
パソコンをご購入のほとんどの方は量販店などでお求めではないでしょうか。パソコンの電源を入れてすぐにテレビを観ることができるしインターネットもできます(多少の設定は必要です)。
年賀状を書いたりワープロができたり。そしてメーカー独自の便利なソフトも入ってます。医学辞書、家計簿、地図、電車の乗り換え案内・・・。
大変便利ではありますがすべて必要でしょうか?これらを見直してみることも必要です。例えば乗り換え案内。インターネットにつながっていれば常に最新のダイヤから検索されますし、ダイヤ変更時にもリアルタイムで対応されています。
地図は部分的ではありますがけっこう早いペースで更新されていきます。数年前のままの地図は、参考にはなってもいざという時には役に立たないこともよくあります。
音楽配信システムなんていうものもあります。これは自宅内で複数のパソコンがあり、同じネットワーク内にある場合、他のパソコンに登録した 音楽データを、まるでラジオでも聞いているようにこちらのパソコンから聞く事ができるというもの。最近の液晶テレビなどではそのシステムが導入されている ものも多数あります。かっこいいですが、設定できますか?使いますか?
なぜこんなことを書くかというと、パソコンは「何でも屋」なんです。いろんな機能をもつことができます。しかし専用機ではありません。インターネットをしながらテレビを観る。メールをしながら音楽を聴く、という「ながら」ができるんです。魅力的です。
そんな魅力的な機能をすべて持ってしまうと、パソコンにも負荷がかかります。あまり複数の機能を同時に任せてしまうと遅くなったり動かなくなるんです。
そこで不要なソフトは消す必要が出てきます。これは「機能を削除する」という意味に等しくなります。ご購入後パソコンの操作に慣れてきてからでかまいませんので、ご自分のパソコンの機能=ソフトウエアがどれだけ入っているのかを見直してみてはいかがでしょうか。
ちなみにいったん削除したソフトも復元できます。メーカーによっては付属するアプリケーションから、あるいはリカバリーエリアといわれるハードディスク内の情報から再インストールができます。操作方法はメーカーのマニュアルをご参考ください。
インターネットのキャッシュファイルを削除する
いったい何のことかわからない方もいらっしゃるかと思います。
インターネットをすると、次々にページを進んでいくことができます。実はそのたびに「キャッシュファイル」なるものがパソコンに保存されています。
中身としては、アイコンや写真、裏で動くスクリプトと呼ばれるプログラムなど。理由は、もう一度同じページを表示したときに、パソコンの中身のキャッシュファイルを先に読み込むことによって、表示スピードを上げる目的があるから。
ではここで考えてみましょう。三日前のYahooのページ、キャッシュファイルを持ってても何かメリットがありますでしょうか?実は一部はあります。同じアイコンや画像がありますから。でもページの中のほとんどのものはもう入れ替えられていますよね。
ということは、三日前のキャッシュファイルはほとんどが「古い」=「役に立たない」ということなんです。
そこでブラウザー(例えばインターネットエクスプローラー)のキャッシュファイルを削除してみましょう。これが思ったより時間がかかったりします。しかし削除の後にはすっきりした体感速度が必ず現れます。
※削除内容によっては、ID・パスワードなどのアカウント設定を忘れてしまうこともありますので要注意です。(メールには影響しません。)
システムドライブの空き容量を確保する
実は隠された優れた機能を持つWindows。こんな便利なものがあるじゃないですか。
Windowsの中心となるシステムは、「Cドライブ」といわれる場所に格納されています(なぜCなのかは割愛します。)。同じ場所に写真 や動画や音楽を入れていくと、Cドライブというお部屋の空きがだんだんと狭くなってきます。こうなるとWindowsが不安定になってきます。一度不安定になるとパソコン故障までは一気に進んでしまいます。
最近のWindows10やWindows8、Windows7やVista、後発のXPでは、Cドライブとは別の部屋「Dドライブ」なる記憶できる場所がある場合があります。出荷の初期の段階ではこちらのDドライブのほうがCドライブよりも容量が大きいこともあります。
そこでこちらにデータを移行すると、Cドライブの空き容量が増えて、Windowsがスムーズに稼働することにつながります。
目安としては、Cドライブ(システムドライブ)は、50%ほどの空き容量は確保したいというのが本音です。
(マイ)ドキュメントを右クリック、プロパティをクリックすると「移動」という項目が現れます。「どこに移動するのか」ということ(ディレクトリといいます)を指定してあげると、そちらにデータを移動してくれます。
ここで大変便利なのが、普段(マイ)ドキュメントとして開いている作業は、全く変わらないこと。普通に(マイ)ドキュメントをひらくと実はDドライブの中身を自動的に見に行ってるという具合です。
XPの場合はマイドキュメントの中にマイピクチャーやマイミュージックがあるので、この作業だけで終了です。Vistaや7以降は、ドキュメン ト、ミュージック、ピクチャーなどの項目を一つずつ移動する必要があります。しかし全部移動する必要はなくて、容量が大きいものだけでも結構です。
そしてもう一つ。特にXPの場合は、デスクトップの上に置いたファイルは、常にCドライブであるという決めごとを変更することはできません (できないことはありませんが、ご存じない方はチャレンジしないでください。間違えばWindowsが起動しなくなります。)。ですので、できるだけデス クトップには大きな容量のものは置かないようにしましょう。
Vistaや7以降は、先に行ったような作業で移動できます。
Cドライブだけしかない場合には、後から追加できる「外付けハードディスク」が販売されています。USBで接続できる物が一般的です。
使用するのに特別な設定は必要ありません。電源プラグを差し込んでUSBケーブルをパソコンに差し込みます。最初に何やらごにょごにょとパソコンがやってます。それが終わると上で行ったように移動すれば大丈夫です。
※ドライブの名前がDではない可能性があります。それらに合わせて移動してください。
それでもだめならメモリー追加を検討する
一度は聞いたことがある部品名かと思います。パソコンには必ずメモリーなるものが搭載されています。実はかなり重要な役割を担っていて、パソコンの安定稼働に大きく左右される条件の一つです。
メモリーの何が大きく影響があるのか。それはやはり容量です。
メモリーにも容量があって、32bitのOSでしたら上限は4GB。パソコンの仕様にもよりますが、ほとんどの機種でこれが上限です(わからない方は、型番をしっかりとメモしてメーカーのサイトで確認してください。)。
パソコンを新規購入した状態のときには、「稼働する」状態で販売されています。いわゆる「動く」ですね。この言葉に結構騙されやすいので注意してください。お買い求めになる時のお客様としての立場は「よく動く」パソコンがほしいわけです。ね?ちがうでしょ。
お値段の張るパソコンは、機能の多さもさることながらこのメモリー容量の大きなものが搭載されていることが多くあります。私たちはここを見るんです。
でも、その時のご予算などのご都合もあることでしょう。パソコンは、メモリーの入れ替えができます。交換なのか追加なのかは、差す場所の空きを見なければ何とも言えませんが、容量を大きくするのに必要なメモリーは、だんだんとお値段が下がってきてます。
ご注意していただきたいのは、パソコンとメモリー型番の相性です。「相性」というともっと違う意味もありますが、ここは広義に考えます。
メモリーを追加してパソコン側で何か調整や設定をすることはできません。ということは、差してみて使えるのか使えないのかは、電源を入れた瞬間に決定します。電源が入らないとか「ビー」というビープ音の場合、そのメモリーはそのパソコンに使えません。
おそらくショップさんでも交換には応じてくれません。ですからメモリー選びはかなり慎重さが必要なんです。パソコンの型番をしっかりとメモ して、ショップの店員さんにしっかりと教えてもらいましょう。恥ずかしくとも何ともありません。店員さんも覚えているわけではなく、調べたうえで確実なメモリーを指定してくれます。それくらい慎重なんです。
そのほか
そのほかは、普段からやったほうがいいメンテナンス項目になります。
夏のこの季節になると熱でCPU速度が落ちたりハードディスクや電源がダウンしたりということもあります。しょっちゅう起きるのであれば、一度パソコンのふたを外して掃除をしてみてはいかがでしょうか。結構ホコリが目詰まりしてることも多くあります。
ここで注意していただきたいことがあります。掃除機は絶対に使わないこと。理由は二つあります。
- 部品にぶつける心配がある。部品は繊細なので掃除機のホースが当たると壊れるものもある。というか、ホースを握った手は思ったより力が強いんです・・・。
- 風を起こして吸い込むので、風やほこりが摩擦して静電気に帯電されている。部品に放電するとほとんどの場合部品が破損する。
ですのでエアーブロワーを使ってください。今ではホームセンターなどでも3本880円!なんていう特価商品もあります。私はそういう時にしか買いません!
エアーでブワッと吹き飛ばすと、結構細かなホコリが飛んでいきます。特にCPUファンと電源の中身。この二つは重点的に行ってください。
ついでにキーボードとマウスも。操作性がかなりアップされますよ。
デフラグを行うことも必要です。
しかし毎日行うことはしないでください。記憶装置であるハードディスクは、磁気で読み書きします。ということは、読み書きの回数に限界があるということなんです。
一か所だけでは数万回だったと思いますが、デフラグをすると数十回行うことになります。ハードディスク全体で1か所でも記録不具合(セクターエラー)が発生すると、そのハードディスクは「破損」とみなされ、HDD交換を余儀なくされます。
程度としては3カ月に1回ほどでいいかと思います。
これだけ行うだけでも、遅いパソコンのスピードがかなり改善される対処方法でした。