電源スイッチを押すとメーカーのロゴとWindowsマークは出てきても、すぐに青い画面になって「修復しています」という状態に。
しかも繰り返してしまって一向に良くならないというのです。
ハードディスクの起動部分がおかしくなっているとこういう症状になりますね。
早速お伺いすることになりました。
すでにWindows10になっていました。
そうだと思いました。
お電話でお伺いした際に独特な画面表示をおっしゃっておられてましたので。
アップグレードの無料期間中にWindows10にアップグレードしたとのことなので、実は結構以前からお使いのノートパソコンのようです。
Windowsが起動しませんので、Ubuntuでハードディスクを検査します。
セクターエラーを検出しました。
やはりハードディスク損傷ですね。
交換が必要となります。
ハードディスクのデータを取り出して次の環境に持っていく算段をしますが、こちらでのネックがやはり仮想化でした。
VMwareの仮想化ソフト(ハイパーバイザー)を導入して、Linuxを起動している模様。
社内だけとはいえサーバー環境を構築して実質運営しているので、サーバーがダウンしては困るわけです。
そういうことでしたら他のパソコンで仮の環境を作ることにしましょう。
デスクトップのパソコンで他の方が触っているものを一時的に利用することにしました。
そちらにハイパーバイザーをインストールし、起動しなくなったノートPCのデータの一部である仮想サーバーの環境を転送します。
仮想OSを起動すると「コピー?移動?」みたいなメッセージが出ます。
「移動しました」という方を選択。
するとするすると起動できました。
他のマシンからの動作確認をしていただくと、とりあえずは業務の遂行ができるようでした。
若干遅いのは仕方がありません。
ハードウェアにも大きな負担がかかりますので、スペックを上げていただくしかありません。
そしてノートPCのお修理の件です。
ストレージがなんと2つも入るタイプで、しかもmタイプの小型SSDも搭載できます。
今入っているのが1TBの2.5インチタイプHDD。
これは交換になりますが、システムだけでもSSDにすると、アプリケーションやサーバー環境がものすごく改善されます。
そこでご相談となりまして、仕様が決まりました。
- ホスト側のスピードを重視するため、m-SATAの256GBのSSDで、起動させる
- データ保持のため、1TBのHDDを入れる(ここは交換になります)
- 追加のエリアには500GBのSSDを入れて、仮想OS用にする
すごい仕様となりました。
もちろん持ち運び用はできないくらいの大きなラップトップPCですので、デスクトップPCの代わりになります。
こんなタイプはそうそう見たことがありません。
私の方が期待してしまいます。
とは言えデスクトップ型のものを導入するほうが割安感がかなりあるかと思いまして、その点を進言いたしました。
そうすると帰ってきた答えが電気代と場所の節約、そしていざという際にこれだけ持って出ればなんとかなる!ということでした。
マシン自体はCore i7のかなり早いタイプでメモリーも32GB搭載されていたくらいですから、もうすでにサーバースペックです。
はい、まいりました。
一旦お預かりし、個人プロファイル部分のデータを取り出します。
その最中にお見積りを提出、ご了承を得ました。
部品を手配し届くのを待ちます。
データは、無事に取り出せました。
一部エラーが出て取り出せない箇所もありましたが、それはキャッシュ部分のようでした。
部品が到着。
今度はシステムをクリーンインストールしましょう。
もっと早くなりますよ。
アップデートをかけMS-Officeをインストール。
再度アップデートをかけウイルス対策ソフトをアップデート。
データを戻して仮想環境をインストール。
納品当日。
今までの仮想サーバー環境を一旦止めていただいて、こちらのノートサーバーに転送。
これまた「移動しました」を選択し、すんなり起動成功。
ホストのWindows10にプリンターとメールの設定を行い、私の作業は終了になりました。
残りはどうしてもお客様側で行っていただく部分が残ります。
お取引先からの電子証明書の再取得だったりネットバンキングの再登録だったりと、どうしても引き継げない部分があります。
それぞれのご対応をお願いいたします。
お客様のご感想をいただきました。
- かなり速く稼働するので、サーバー運営が楽になります。
- システム部分とデータ部分を特徴別のストレージに保存していくという考え方の設定はありがたい。
- SSD部分の完全バックアップが、1TBのHDDに取れてしまうのが面白い。
仮想化技術は素晴らしいもので、仮想化専用サーバーを立ち上げなくてもパソコン一台が数台程度に化かすことができます。
その台数分のOSが可動するハードウェアスペックが必要ですが、Core i5以上のものでしたら一つくらいのWindowsだったら普通に動きます。
ファンは回りっぱなしにはなりますが、長時間でなければ大丈夫です。
この仮想化するソフトウェアを「ハイパーバイザー」という言い方をします。
このソフトが無料で使えるというのは、大変ありがたいですね。
ご興味のある方は一度検索してみてください。
- Microsoft HyperV
- VMware Workstation Player
- Oracle VM VirtualBox
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パソコンの修理をしております。
個人様や事務所様にとってパソコンは無くてはならない時代になりました。そんな経緯を見てきた古めの人間です。
パソコンとうまく付き合うことでお仕事や趣味の幅を広げていきたいと思っております。