Windowsサーバーのが起動しなくなり、そこでファイル共有で使っていたデータだけでも取り出しができないかというご相談です。
どういうハードウェアにインストールしているのかというのが詳しくわからないので、お日にちを決めてお伺いすることになりました。
診断をしました。
しっかりとしたDELL製のサーバーでした(笑)。
ミニタワー型のタイプで、サーバーマシンとしては小型の部類に入ります。
ハードディスクは6台搭載しているので、当然SASでの接続。
おそらくRAIDは組んでるでしょうねー。
「Windows Serverのバージョンは?」「わかりません」
「RAIDは組んでますよね?」「わかりません」
「ご担当やメンテナンスの会社さんとかわかりますか?」「わかりません」
どうもご担当がいらっしゃらないようで、メンテナンスも一切できていない状態が数年間続いていたとのこと。
「組み込んだ当時の金額だったらわかります。」というお申し出に、「大体○○円くらいじゃないですか?」と切り替えしたところ、「そのとおりの金額です!」とびっくりしておられました。
「ということは、紹介した商社は○○でしょ?」というのもピッタリと当ててしまいまして、かなりお高い金額を提示しているところの商社さんにあたってしまったんだなーと感じました。
そこらへんはさておき、とにかくダウンしてしまって起動しなくなった状態の診断です。
蓋を開けるとホコリだらけ。
ホコリを掃除機で吸い出し、ライトを当てて目視検査していると、電源スイッチのコネクターが外れてます。
これを取り付けてスイッチを押すと起動しました。
「電源コードが引っ張られていたのでこれで電源供給が止まった上に、スイッチのケーブルも外れていましたので、電源は入らない状態になってました。」
しかしここからが本来のご依頼内容でした。
もともと調子が悪かったとのご連絡内容でもありましたので、その状態で起動過程を観察。
するとRAID構築のメッセージでエラーが出てきておりました。
なんでも、「ストレージが読み取れない」という内容。
6台のハードディスクランプを見ると一つだけ赤になっているやつが!
ハードディスク交換というか、ハードディスクが1台だけだめでもシステム全体は起動するRAIDの組み方をしてるはずなのに・・・。
改めてオンボードRAIDの設定を見てみます。
起動途中でRAID設定画面に入って・・・入れん。
これってRAIDボードの不具合とハードディスクの不具合が重なっている状態のような気がします。
時間がかかることが判明したので、一旦お預かりになりました。
しかしこれがまた重い・・・。
事務所にて確認作業が続きます。
ストレージを外します。
順番を間違えてはいけませんので、番号を振りながら外していきます。
そしてテスト用の500GBハードディスク6台と入れ替えてみました。
当然今からRAID構築になります。
マザーボードのBIOSの電池も劣化していたようで、電源を外して2時間程度経過するだけでBIOSもリセットされてしまいました。
これではもともとのRAIDの組み込み方がわからなくなりました。
とりあえず標準選択のRAID6で組んでみます。
順調に進み、アレイの設定やWindowsのインストール、ネットワークの確認など順調に進んで、あっけなくシステムが完成してしまいました。
負荷をかけるためにベンチマークソフトを入れてしばらく様子を見たり、大量のデータを事務所のNASから一挙に転送してみたりと、なんら悪い箇所がありません。
強いて言えばDVDドライブが劣化していて使えなくなっていたというくらいでしょうか。
ということは、やはりハードディスクに原因があるようです。
ハードディスクを交換して再度挑戦。
RAID設定の前で止まります。
やはり同じ箇所のハードディスクのランプが赤に。
その数秒後もう一つが赤になってシステムが止まってしまいました。
ハードディスクが一つ悪かったのは間違いないですが、悪くなりかけのものがもう一つあって、RAID6の2台までの故障ならOKという枠ギリギリで動いていたのかもしれません。
本来ならそれでも稼働しないといけないのがRAID6なんですが・・・。
さてこれからが問題です。
とりあえずお客様には状況をお伝えし、データ復旧に向けた説明を続けました。
- 悪くなっているハードディスクのミラーリングコピーをして、入れ替えた後再度組み込んで見る
- その際の作業代金はどうしても必要
という内容にはご承諾いただき、同じ容量のハードディスクを手配しました。
翌日には届き早速ミラーリングコピー。
2台行うと丸々一日かかります。
サーバーに組み込み直して電源を入れます。
RAID6で判別させるととりあえずシステムは起動していきました。
やはり標準の6であたっていたようです。
Windows Serverのパスワードを入力、データの取り出しに成功したようです。
といっても一部はだめでした。
容量的には1割弱くらいでしょうか、それもお客様にお伝えしたらご承諾いただきました。
サーバーのお修理はしないということになり、代わりのNASを手配することになりました。
それまではデータをお預かりさせていただき、弊社提供のNASの中に転送して納品となります。
この件はまた長くなりますので、今回は割愛いたします。
サーバーは24時間運営をさせるのかどうかを検討しないと大変なことになります。
- 停電しないような無停電装置を入れる(こいつのバッテリーも2年おきくらいに交換する必要がある)
- 小さなメンテナンスはできるようにする
- 大きなメンテナンスは定期的に行う必要がある
- データを記憶するストレージは必ず劣化するので、それまでにデータを確保する
- 故障する前にNASは入れ替える
等々、やはり手間とお金がかかることを念頭に入れて運営する必要が出てきます。
どうも最初の業者さんが売りの一手で導入したものらしく、「すごく強引でした」という営業だったそうです。
いまではその営業所もなくなって担当者という人の名刺に電話をかけても「繋がりません」状態。
そんなときは弊社にご連絡ください。
必ず成功するものではありませんが、データが取れるようにがんばりますよー。(^o^)/
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